カール大帝の夢16-帝国首都アーヘン

カールの都アーヘン。それまでも、中世になっても、王の居るところが首都である。カールは、コンスタンチノープルをモデルにして自分の国をビジュアルにしようと思う。この地はドイツとフランスの中間で、しかもカールはゲルマンにこだわったとアインハルトは記している。

丘の上の現在の市庁舎に王宮があり、そこから133mの長さの2階建ての柱廊で、下の宮廷礼拝堂につないでいたようだ。この王宮への情熱は並みならにものがあり、カールはローマやラヴェンナから大理石の柱を運ばせる許可を教皇からとっている。礼拝堂は、八角形、地上の四角と天上の四角を結合する意味がある。

この八角形はラヴェンナのサンヴィターレ教会をモデルとしてカール自身が指示した。当時としてはアルプス以北最大の教会建築物だった。ここを首都としてから官庁や裁判所、行政官が所在し、その個人宅ができ、貴族の別邸が整い、首都としての賑わいがつくられた。もちろん外国使節の謁見や会議も行われた。

カールの宮廷は素朴で、服装も質素だったとのことだ。食事のときには、叙事詩を読ませ、特にアウグスティヌスの「神の国」を好んだ。礼拝堂には朝夕、特に夜も訪れ、祈った。温泉は大好きで、ときには100人ぐらいと一緒に入ることもあったようだ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。