ナポレオン53-フランス王政復古

これからの時代の主役となるオーストリア宰相メッテルニヒは4月8日にパリに入った、41歳。ナポレオンをもっと遠くに幽閉するべきだ、と言ったが遅かった。そして「ナポレオンは腹を空かせて戻ってくるだろう」と冗談とも予言ともつかぬことを述べたようだ。そしてとりあえず休戦協定をつくる。

この休戦協定は、フランスに賠償金を請求せず、外国軍隊は撤収。そして国境も1792年の国境に戻すという寛大なもので、後のキッシンジャー国務長官はこれを「平和と自制の条約」と高く評価している。下手なことをすると、またフランスの揺り戻しが起き、ヨーロッパが戦火に晒されると思ったからだ。

新フランス王ルイ16世は、立憲君主制を宣言していたが、臨時政府のつくった憲法草案を拒否、代わりにつくった1814年憲章は、「フランスの全権は国王にある」とされ、所有権は認められたものの、国会の機能は大幅に制限され、選挙権は、納税額によって決められた。

しかし何と、蘇った貴族達の中には、絶対王政への回帰を求める者が多く、超王派(ユルトラ)と呼ばれる。さらに国民の中には、共和主義派も居たし、ナポレオンに心酔を止めないボナパルティストも居た。軍はまだナポレオンの影響下にあり、フランスが治まるには程遠かったのだ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。