ユスティニアス大帝1-皇后はストリッパー

大帝ユスティニアヌスはバルカン半島の農民の子らしい。叔父のユスティヌスを頼って帝都コンスタンティノープルに出てきた。叔父は軍人で、優秀な彼を養子とした。そして518年、叔父は皇帝に登りつめ、教養を身につけた彼はその片腕となった。そしてその妻というのがまたすごい。

妻テオドラは、なんとサーカスの踊り子というか人気ストリッパー。下々の者で王妃に登りつめたシンデレラストーリーは結構あるが、さすがにストリッパーはめったに居ないのではないか?それだけ魅力があったのだろう。そして527年、ユスティニアヌスは皇帝となった。

皇帝は最初から、帝国再興を夢見ていたらしい。そのために内政を整え行ったのが有名な「ローマ法大全」の編纂だった。長いローマ時代では皇帝が勝手に勅令を出し、相互に矛盾していた。この法大全によって初めてそれが整理されて、解釈もつけ加えられたことは画期的といっていい。

さらに財政改革を行い、遠征の軍事費を準備した。その中には、高層住宅に住む金持ちに課税する「空中税」という現代的なものもあった。しかし、このような課税は帝国民の知ったことではなく、532年サッカー場からじゃない、戦車競技場から反乱が勃発したのである。

下はジャンジャック・ベンジャミンコンスタン作「テオドラ」

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。