ルイジアナ売却で資金を得たナポレオンはいよいよイギリスとの戦いを計画する。しかしイギリスの海軍力の優位は明白で、全盛期スペインでもできなかったブリテン島攻略は容易ではない。しかしこの頃の彼は「余の辞書に不可能の文字はない」と思っていただろう。作戦の要はイギリス海軍を陽動することだった。
作戦計画は3回変更され、大陸では、1805年に入ると、オーストリアとロシアがイギリスと連合し、再度対仏包囲網を築こうとするきざしがあった。大軍勢は残し、本島侵攻は一時停止し、西インド諸島の島を荒らすことに変えた。しかし3月にナポレオンはオーストリアからフランスを攻撃しないという言質をとった。
最終作戦もいくつか変更され、フランス、スペイン連合艦隊は陽動のために西インド諸島に向かい、英海軍が追ってくると反転してイギリスに向かうというものだった。仏西連合軍は西インド諸島に向かったが、陽動は失敗して、スペインに帰る。そこで英艦隊に出会って敗れた。
ナポレオンは、イギリス侵攻を中止し、オーストリア攻撃の支援としてこの艦隊をナポリに向かわせようとした。そして今度は、スペインのトラファガル岬沖でネルソン艦隊と遭遇した。10月20日のトラファルガー海戦は、連合軍が数で勝ったが、英海軍に敗れた。ネルソン提督は戦死するが、英雄としてトラファルガー広場に名を残している。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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