合衆国の歩み2-ルイジアナ買収

1803年、アメリカ合衆国は、ナポレオンからアメリカ中部の広大なルイジアナ植民地を1500万ドルで買収した。アメリカはミシシッピー河口の物流拠点であるニューオリンズを獲得したかった。フランス革命が起こり、フランスが不安定化しており、どう転ぶかわからないので買収交渉を行った。

ナポレオン側では、もはや敗北の情勢のハイチがあった。ナポレオンはハイチの砂糖で植民地帝国をつくろうとしており、ニューオリンズはその中継地点だった。その奥のルイジアナは、未開の地もあり、経済的メリットに乏しかった。ナポレオンはヨーロッパ戦争のための軍費を必要としてあっさり売ることにした。

フランスに派遣されていたモンローとリヴィングストンは、ナポレオンの気が変わらないうちにOKして現地で交渉した。交渉が妥結した知らせにはジェファーソン大統領も仰天だった。そしてナポレオンはこの資金でイギリスとの戦争を始めるのである。

実は大統領には、領土拡大の権限があるかは不明だった。しかしジェファーソンは、憲法を拡大解釈して国の利益ということで押し通した。1812年にできたルイジアナ州は、ナポレオンの予想に反して、砂糖と綿花のプランテーションができて豊かな州となる。ニューオリンズは、オルレアン公フィリップの名前をとっており、ジャズはフランス人と黒人の混血が生み出した。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。