近代とキリスト教3ジュリービリアート

ナポレオンが皇帝になった1804年の2月2日、フランスに後に聖人となるジュリー=ビリアート(ビリヤール)らによって、貧しい子供達に教育をするナミュール・ノートルダム修道女会が誕生した。ジュリー=ビリアートは革命前の1751年に生まれている。家は大地主だったが、家運は傾いていた。

家は67年に財産を失い、74年に精神的理由からジュリーは、身体が不自由になったが、明るく家を手伝った。81年30歳のとき、村を伝染病が襲い、その治療が失敗してジュリーは身体が動かせなくなる。しかし彼女は、慕ってくる村の子供達に聖書やいろいろなことを教えていた。

1789年に革命が起き、ジュリーは貴婦人の別荘に逃げたが、宣誓を拒否した神父を匿っているとして襲われかけ、住所を転々とした。その中で、ジュリーは、夢でシスターから修道会を作ることになると言われたという。99年にベタンクールに移り、そこで神父や仲間達と、貧しい子供を教え始める。

04年、教会が復活して帰ってきた人たちの指導も始めた。彼女に感動したアンファンタン神父が共に祈り、「マザー深い信仰があるなら歩いてみなさい」というと、今まで歩けなかった彼女が歩けた。聖ジュリー=ビリアートが撒いた新しい福音の種は全世界に育ち、日本にもノートルダム清心女子学園があり、有名な渡辺和子さんは理事長だった。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。