恐怖政治10-ダントン、エベール処刑

93年末には徹底した殲滅作戦の結果、フランス各地の反乱は鎮圧された。ヴァンデ地方の反乱は鎮圧された後も「地獄部隊」が送られ、容赦なく殺人が行われた。リヨンの反乱は降伏し開城したが、その後2千人もの市民が虐殺された。トゥーロンでも2千人が虐殺、この包囲戦で活躍した砲兵大尉がナポレオンである。

しかし敵がいなくなると内部闘争が起こるのはお決まりのパターンなのかもしれない。恐怖政治をめぐる対立から、ダントン派とエベール派が対立して、どちらも粛正された、その口実が冤罪かは知らないが、どちらも汚職というから笑うとことか。ダントンはロベスピエールに「次はお前だ」と予言した。

ロベスピエールは、開き直って「徳なき恐怖は有害であり、恐怖なき徳は無力である」と言う。そして道徳性を高めるための祭典を行った。1794年6月8日「最高存在の祭典」である。プロデューザーはダヴィッド。ロベスピエールは、「神を創造しなければならない」と言ったらしい。

しかし徳を高める一方で恐怖も高まった。7月までの一カ月で、ギロチンはフル稼働し、1376人の血が流れた。さすがに次は誰の番と思う。7月26日、ロベスピエールは「まだ粛正されなければならない議員がいる」と言った。さすがに一同は殺さなければ殺されると思った。

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キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。