恐怖政治7-革命暦と理性の祭典

新しい権力の象徴として時間を支配しようとするのは、古今東西変わらないのかもしれない。日本はもとより、イスラムはイスラム暦を採用している。そして1793年10月国民公会は、それまでのグレゴリオ暦を廃止し、革命暦をつくった。これは見事に10進法で、1週間は10日、1日は10時間、1分は100秒。

1年は12月だが、名前が変わった。そして1792年9月22日を第一年第一日とした。キリストやムハンマドで世界が変わったように、このフランス革命によって人間が、世界が変わるのだ。もちろんフランスだけで終わる気はない。フランスが征服した土地では皆この暦に替わったのだ。

そして、ノートルダムをはじめフランスの教会は「理性の神殿」に変えられ、11月10日オペラ風の「理性の祭典」が開催された。キリスト教の祭壇が取り払われて自由の祭壇になり、自由の女神の女優が躍った。狂信は理性と正義に席を譲ったとの歌が響いた。まあ革命あるある話。

実はRevolutionというのは、ラテン語の「回転」から来ていて循環の意味も持っている。ところが、この回転は力がついて止まらなくなる。「エネルギー」と言う語が社会的に使われだしたのもこの時期らしい。まあ回転が止まるとすれば、何かにぶつかってからなのだ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。