フランス革命軍は何と120万人まで膨れ上がった。しかし戦争は頭数だけではない。ここでラザール・カルノーという工学者で軍人という人物が現れる。彼はあの熱力学で有名なカルノーサイクルを発案した物理学者カルノーの父である。平民出身のため国王軍では出世できなかったが、戦争に疎い公安委員会で頭角を現す。
彼は、国民公会で「フリードリヒ大王を真似てライン軍から兵を割いて北方軍を強化せよ」と言って信任を得た。一日16時間徴兵、軍需工場、兵制改革すべてを取り仕切り、空前の規模の14師団をつくり前線に配備した、漢の劉邦軍でいえば蕭何の役だ。
連合軍は思惑違いから分裂し、イギリス軍は自国のために北上して、ダンケルクを包囲していた。9月、援軍を得た仏軍4万2千が、1万7500の英軍をオンドスコートの戦いで破り、ダンケルク包囲から撤退させた。
10月には、新たな北部司令官ジュールダンが就任。墺軍に包囲されたモブージュに向かった。15日、4万人の仏軍がワッティーニで激突。緒戦には敗れたが、翌16日ジュールダン自ら先頭に立ち、しゃにむに押しに押して、遂に墺軍を撤退させた。この功績によりカルノーは勝利の組織者と呼ばれる。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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