フランス農村部は、教会の10分の1税廃止などを好意的に受け取ったようだ。しかし革命が起こってもちっとも生活は楽にならず、物価が高騰した。そして聖職者民事基本法によって、政府から聖職者が派遣された。しかし地方の司祭などそこで生まれ、聖職を志願して神学校で勉強して帰ってきた人間が多い。
政府に任命された聖職者は村のことを何も知らない。ただ葬式をやったところで天国に行けるとは思えないのも無理はない。ミサや聖体拝領を受けるのは敬虔な信者にとって何よりも重要なことだ。その上に訳のわからん徴兵である。さすがに反乱が起こらないわけがない。
反乱はあっと言う間に火が点き、フランス西部を席捲する。革命軍は、国境付近に送っており、国内は手薄だった。反乱軍はカトリック王党軍を名乗り、地方の軍人貴族を首領にして、3万人に膨れ上がった。この軍には地の利があり、撤退した革命軍の大砲を奪取して、装備を固めた。
もはやフランスは内戦状態となった。共和国派は、国王処刑後、地方で反抗者を共和国の敵として処刑したが、王党軍もやはり共和国に味方する者を悪魔の手先として虐殺した。国王が処刑され、統一原理のなくなったフランスでは、どちらも殺人が合法化される。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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