実は1792年9月20日は、新しい国会「国民公会」が開会された。この選挙は8月11日から行われ、財産制限は撤廃されたが、やはり選ぶのは選挙人のみで、議員は選挙人が選出した。男子のみだが、普通選挙に近い。ところが投票率6%以下で、その結果定数789名だがロベスピエールが中心となった山岳派が多数を占めた。
国民公会は21日の第1回会議で、王制の廃止を決議した。グレゴワール司教は王朝は人民の血を貪り飲んだ暴食人種」とまで言い切った。しかし、行政府は置かず、各委員会が行政を行ったが、結局不確かな政治システムは少数の独裁政治に行きつくことになる。王制を廃止した結果がこれである。
とはいえ、タンブル塔に幽閉している元国王ルイ16世はどうするのか。91年憲法では、国王への処罰は退位だったが、すでに退位させられて幽閉されているルイは市民として罪を犯していない。しかし国民の代表なら裁判にかけられるはずだ、と委員会は提案する。
それに反論したのが、ベルばらで「革命の大天使」と書かれたサン‣ジュストである。ルイに無実の機会を与えることは、8月10日の共和制革命自体が否定される危機になる。「人は罪なくして王たることはできない」つまり王であったという事実が問答無用で処刑に値する、時代はそれぞれの詭弁術を編み出すものらしい。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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