「若きヴェルテルの悩み」で大ヒットを当てたゲーテだが、1775年にヴァイマール公カールアウグストに招かれ大臣に就任する。といっても国は人口6千人面積Km2の貧しい小国で城の再建もできない。ともかく彼は、産業を振興させ、イェーナ大学にフィヒテ、シラー、シェリングを招き文芸立国を目指し、恋もする。
86年には、無期限の休暇を取ってイタリアに旅行するのだから優雅な大臣である。彼は古典派詩人となり、「タッソー」「イフィゲニア」を創り、著作集を出版するが、これが売れない。そして88年から若い女性を内縁の妻として子供を作るので、公国内で悶着をしでかす。
フランス革命が起こると、独文人達は歓呼をあげた。しかし彼は、偉大な個人が好きで、勝手な大衆は好かない。そんなとき普墺同盟で、フランスに進軍することとなり、彼もアウグスト公について進軍することになった。そして遭遇したのが、ヴァルミーの戦いである。
92年9月20日に起きたこの戦いは、職業軍人対市民義勇軍の戦いだった。この戦いは小規模な戦いであり、仏市民軍の大砲と士気に普墺軍は退却した。しかしこの小さな勝利は、大きくその後の情勢を変えていくのである。ゲーテは「世界史の新たな時代が始まる」と日記に残したのは疑問視されている。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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