1792年6月20日、この日は、「球戯場の誓い」2周年である。無産市民サンキュロット達は、まず立法議会に乱入し、その後国王のチュイルリー宮に押し寄せた。暴徒は署名を拒否している法令に署名せよ、と脅したが、このときルイ16世は落ち着いて動じなかった。三時間後にパリ市長が来て、暴徒を解散させた。
この事件の結果、国王の人気はあがり、議会の評価は下がった。この事件の非難請願は2万人の賛同が集まり、市長ペチヨンの役職が停止された。しかし国王ルイはその前から死を覚悟しており、指導を受けているエベール神父に「私のまなざしは天上へと向かっています」と手紙を書いた。
7月14日の第3回連盟祭にルイは出席したが、祖国の祭壇に上る彼の姿は、自ら進んで生贄になろうとする聖人のように見えた、とスタール夫人は書いた。しかし敗北したサンキュロット達は、連盟兵が集まりきるのを待っていた。このときマルセイユの兵が歌ったのがリール大尉の歌で「ラ・マルセイエーズ」となる。
7月11日、立法議会は「祖国は危機にあり」という宣言を発した。
しかし6月20日の事件は、普墺軍をも刺激し、司令官ブランシュヴァイク公は、国王一家に危害を加えれば、パリ壊滅も辞さないと宣言した。これはまるで逆効果で、国王は普墺軍の味方に見せてしまった。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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