仏王処刑18-無防備のルイ16世

戦争の敗北で、ラファイエットは北部方面軍の司令官となった。これは、ミラボーの後の国王の最後の庇護者を失うことだった。革命は生活を改善せず、政府が発行したアッシニア紙幣はインフレをもたらした。しかし扇動新聞などは、オーストリアや反革命の陰謀だと証拠もなく書き立てた。

戦争で「まず国内の敵を倒せ」というのは、十字軍のユダヤ人虐殺から、現代のイスラム排斥まで変わらないのかもしれない。1792年4月28日、立法議会は、反革命と外国勢力と密通しているという理由で、カトリック系修道会にすべて解散を命じた。病人を救けている援助修道会もである。

さらに議会は、国王ルイの立憲衛兵隊の解散まで命じた。なんとこれで国王は丸裸にされてしまったのである。司令官ブリサックは、民衆暴動に備えていたが、彼は逮捕されて、護送される間に勝手に虐殺された。国王は、法令への拒否権を持っていたがそんなことおかまいなしに進んでいく。

パリの扇動の中心となっているのはサン・キュロットと呼ばれる者達で、彼らの多くは無産市民で、参政権からも排除されていた。シャン・ド・マルスの事件の後鎮圧されたが、特赦でまた力を復活させていた。穏健派から権力を取りたいジャコバン派は彼らを挑発する。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。