仏王処刑17-ヨーロッパ各国の国家の由来

ところでラ・マルセイエーズが出たついでに他国の国歌を見てみよう。ヨーロッパの最初の国歌は、オランダ国歌でスペインからの独立戦争中1568年~72年につくられた、まんまウィレム1世賛歌である。中世などは、公式行事などにはテ・デウムが歌われた。これは神の賛歌である。

サッカーでイングランドサポが歌う「神よ女王を救けたまえ」は正式な国歌ではないようだ。なんと元はフランソワ1世の戴冠式に歌われたこともある王を讃える歌。1744年のジャコバイトの乱のときに、この曲を編曲したと伝えられる、ちなみに、今は女王だが、男の場合は歌詞がKingになる。

フランス革命に触発されて作られた国歌は現在ドイツ国歌になっている「神よフランツを救けたまえ」実は元神聖ローマ帝国歌。ナポレオン軍に脅かされたオーストリアが、国威高揚のため、イングランド国歌に影響されて、ハイドンに委託した。フランツは当時の皇帝フランツ2世のこと。

この歌をひきついで、1941年に歌詞だけ変えてドイツの歌ができて、ヴァイマール共和国時代に国歌となった。元のオーストリアは第二次大戦後、モーツァルトの歌曲に歌詞をつけた国歌に替わった。スペイン国歌はブルボン朝のカルロス3世時代にでき、スペイン内戦後復活した。国歌の由来を知るとワールドカップが面白い。

下はオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世記念の映画「プリンセスシシー」より今のドイツ国歌がオーストリア帝国で演奏されている

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。