仏王処刑14-ピルニッツ宣言、戦争へ

新たに招集された立法議会は新人ばかり、それもそのはずロベスピエールが提案して、立憲議員は立法議員になれないと決議したのである。立憲議員といえども政治に慣れていたわけではないのに、もうやりすぎというものだ。さらにパリ市長バイイが辞職して、選挙の結果ジャコバン派のペチヨンが当選、これが国王夫妻の運命に大きく影響する。

フランスは貴族領から機械的に県に分けられたが、行政組織ができず税収は予定の10分の1、教会財産国有化を担保としてつくられた債券アッシニアは暴落し、食料品は高騰して貧民は不満を募らせるが、彼らは実質選挙権がなかった。まるでフセイン政権崩壊後のイラクのようだ。

なんとパリの宮殿に、あのフェルゼン様がかつらをかぶり、化粧までしてやってきた。そして偽の旅券を手に逃亡計画を提案する。王妃は賛成したが、ルイ16世は、自分達を解放するのは、外国の軍隊だけだ、と言ったということだ。

普墺ザクセン3国の「ピルニッツ宣言」は、フランスの愛国派を刺激した。彼らは、経済状況の悪化を忘れさせるため、実は戦争をしようとしていたのだ。彼らの錦の御旗は外国の干渉への対抗だが、むしろ「革命の輸出」を狙っていた。虐げられた国民はこぞってフランス革命軍に味方するだろうと。。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。