フランス革命の道27-迷走王太子の夭折

三部会開会から1カ月余り経っても会議はすすまなかった。そしてともかく議決方法がよくわからない。ネッケルは、特権身分と第三身分との調停を図り、全国民共通の課題は合同で審議し、各身分の問題は個別審議する案を出そうとするが、どちらからもスカンを食らう。

宮廷でも、アルトワ伯らが第三身分を危険視し、ネッケルを更迭しようとしていた。6月3日、第三身分のリーダーのバイイは、自分のグループを率いて、王との面会を希望したが、大法官を通せと言われた。ネッケルも面会し、国王直々の面会は「まだ早い」と言った。

悪いことに、6月4日王太子が亡くなり、2カ月半の服喪が命じられた。6月6日、第三身分はバイイを自分達代表団の団長に選び、王太子の棺に聖水をかけた。そしてまた王への面会を求めた。感情的になっていた王は、この無作法さに腹を立てた。第三身分と王は互いに不信感を持つようになる。

ルイ16世は、自分の中にひきこもり、政治的空白ができる。その中で宮廷や貴族や第三身分は、他者の陰謀画策を警戒するようになっていく。ネッケルといえば、王がゆらいで不安定になり、誰とも会おうとしなかった。そしてリーダーシップは国王抜きにできてゆく。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。