フランス革命の道25-前兆レヴェイヨン事件

1789年4月26日、三部会開会を待たずパリで「レヴェイヨン事件」という暴動が発生した。レヴェイヨンは350人の工員を雇っていた王立壁紙製造業者で、不況でも工員を解雇せず給料を払っていた博愛主義者だった。彼は物価を下げるために、入市税撤廃を訴えた。ところが、それが賃金を下げると誤解されたのである。

そのデマは、あちこちで拡散され、27日の日曜日に、失業者や貧民が「金持ちに死を!貴族に死を!物資の退蔵者に死を!」とデモを起こし、その敵としてレヴェイヨンと同意した硝石業者アンリオの人形が燃やされ、両者の邸宅と工場に向かった。パリ市警は、2021年1月6日のワシントンと同様備えがなかった。

27日は防げた暴動は、28日にさらに激しくなった。暴徒はオルレアン公妃が通った隙に、レヴェイヨン宅に侵入し、略奪して破壊した。「蛮族は我々のただ中に居る」と新聞は書いたが、2021年1月6日のアメリカのメディアは「テロリストは、中東ではなくアメリカに居る」と言った。

三部会を控えたルイ16世政府は、この暴動の処置を最低限に済ませた。群衆はまだ「国王万歳」「ネッケル万歳」「第三身分万歳」と叫んでいたのである。しかしこの事態は、その後の革命の暴動を先取りするものだった。2021年の背景もコロナ危機があり、止めるのは現代でもも困難である。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。