フランス革命の道20-弁護士ロベスピエール

1788年、この年はイギリスの名誉革命百周年にあたる。イギリスにあこがれる啓蒙知識人はフランスも、と思っていた。ところが百年の時が過ぎ、思想は進化した。フランスはルソーの思想が席捲した。ルソーは、自然状態では人間は平等と言った。啓蒙とは光。その真理の光に目覚めれば、理想が実現すると思った。

三部会が招集されると決まり、それは何か、が問題になった。そしてルソーの「人民」という概念があてはめられた。つまり身分も階級もない、抽象的な人間である。そしてだんだん人民=第三身分ということになってゆく。抽象的な理想が暴走してゆくことは、宗教改革のような変革の時代によく見られる。

さらに復活した高等法院は、出版の検閲制度をやめた。これによって、現代のSNSのような、なんでもありの言論パンフレットが巷にあふれだして行く。そして、世界史の教科書に載っている第一、第二身分が第三身分に乗っかっている、という絵があちこちで形を変えて出ていくのである。

マクシミリアン・ロベスピエールは、アラス州の優秀な若手弁護士だった。三部会と共に国王への陳情書をあげることが許可され、彼は、市井の人の陳情書作りに精を出していた。その中で政治的なパンフレットも作るようになる。そして州の第三身分代表に立候補していくのだ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。