アメリカ独立16-米合衆国憲法の制定

独立を達成したアメリカだが、その内実は惨憺たるものだった。何よりも独立戦争のために国土は疲弊し、債務は溜まり、各州はバラバラだった。そんな中で1786年にはマサチューセッツで「シェイズの反乱」と呼ばれる貧困農民の反乱が起きた。外敵には対応できた大陸会議も、内乱には対応がうまくできなかった。

こうして13州の連合は、フィラデルフィアで連合規約の改正を論議することになった。が、そこでヴァージニア代表のジェームズ・マディソンは、統一した連邦政府の設立を訴え、統一された合衆国憲法を提案した。こうしてマディソンは「合衆国憲法の父」と称されることとなる。

彼が中心としてヴァージニア州が提案したたたき台は、両院制議会、政府の執行役、裁判官というモンテスキューによる三権分立が盛り込まれていた。彼は、正義を体現する者ではなく、単なる多数が数の力で、国を動かしていくことを恐れて、権力の制限を基本理念にしたのである。

87年9月17日、憲法草案が発表され、フランクリンは演説で、13州議会全州一致での批准を求めた。各州で激しい議論が展開されたが、88年6月21日ニューハンプシャー州が9番目に批准して発効することになる。この憲法の発布後、結局13州全部が批准することになるが、それは90年までかかった。

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。