フランス革命の道19-オルレアン公という男

オルレアン家は、ルイ14世の弟以来の家系であり、継承順位は王太子に継ぐ。オルレアン公ルイ・フィリップ2世は、国王より7歳年上であり、85年に父の死で家督を継いだ。が、野心家で陰謀家、私生活は放蕩三昧だった。しかしその野望は24時間以上続いたことがないと噂された。

オルレアン公は、1771年にフランス・フリーメイソンのグランドマスターとなり、開明派をもって任じていた。王権がゆらいだ時代に、彼がオルレアン家代表となったのも国王の不運の一つである。公は、まるで何のビジョンもなく、ただ国王に反対したいというだけで、名士会などで反対派となった。

三部会が開会されてからは、民衆の力を利用して、あわよくば国王になりかわろうと第三身分の味方をした。王家有力者が加わることで、反対派は大きな力を得たのであるが、彼はただ王になりたい一心だった。パレ・ロワイヤルから暴動が起こったときは、国王のもとへ行ったが、有利になれば保護者然とした。

革命が起こって貴族が廃止されてからは、平等のフィリップと自称し、何と国王処刑にも賛成するのである。そしてオルレアン家擁立の陰謀をたくらんだという容疑で逮捕され、その半年後同じくギロチンにかけられた。息子ルイ・フィリップが1830年に晴れて国王となるが、彼の野望の成就といえるだろうか?

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。