フランス革命の道20-熱気球ヴェルサイユを飛ぶ

1783年9月、ヴェルサイユ宮殿の上を見慣れぬものが漂っていた、気球である。この気球に乗っているのは羊と雄鶏とアヒルだったが、8分間の空中旅行の後無事に地上に降りた、それを10万人の人間が見物した。この2年後には初めて気球でドーバー海峡横断に成功する。科学に明るいルイ16世のもとフランス科学アカデミーは拡張した。

都市では鉛管を使った下水道が始まり、道路が整備され急行馬車は短期間で都市をつなぎ、流通が増えた。国際貿易は年間10億リーブルにのぼり、工業はイギリスを追って大幅に伸び、資本主義生産が発展し、フランスは大陸一の工業国だった。しかしそれと共に富と貧困の分離が発生した。

軍でも元込め式銃が発明された。王立士官学校を作ったのは、ルイ15世の寵姫ポンパドゥール夫人だが、その恩恵を受けたのは、その出身であるナポレオンである。数学者ラプラスは、ナポレオンに重用されて、大砲の弾道計算を取り入れた。

質量保存の法則を発見した近代化学の父と呼ばれるラヴォアジェは、科学アカデミー会員で、77年燃焼のシステムを考え、そこに作用する気体をオキシゲンと名付けた。彼はルイ16世のもとで国家財政委員にもなる。しかし彼は徴税請負人だったため、革命で死刑。弁護人が科学的業績を言ったが「共和国に科学は不要」と裁判長は言った。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。