フランス革命の道17-カロンヌのバブル政策

1783年11月、地方の総監カロンヌが財務長官に就任した。彼を押したのは徴税人組合や金融界、ポリニャック派も絡んでいる。アントワネットに取り入る夫人は80年に公爵となり、王妃への取り入り競争は、この後根も葉もないスキャンダルネタを提供することになる。

カロンヌは、再び経済拡張政策に戻す。戦争が終わり、オランダとスイスの投機熱がパリに押し寄せ、株や不動産は上がり、バブルが踊った。カロンヌは、その楽観さをフランス産業への投資に誘導しようとした。繊維工場、製鉄所、化学工場がつくられ、産業する貴族ができていく。

カロンヌはまた、貴族の支持を得るために、宮廷の放漫さも復活させた。アントワネットとポリニャック派のために、音楽も育成し、バブルも相まってパリは空前の活況を呈した。タレーランは「1789年以前に生きたことがない者は、人生の快楽がわからない」と後に言い放つ。

カロンヌは、不動産ブームに乗って、パリの美化を行おうとした。しかしそれによって家をなくしたその日暮らしの貧者があふれた。貧富の格差が広がり、バブルで仕事のあるうちはよかったが、その終焉と共に、無産者達は過激化して、革命に向かう力となってゆく。

下はカロンヌ時代に工事が本格化したコンコルド橋

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。