フランスはイギリスの覇権を打ち砕いたが、ルイ14世的勝利も望まず、ヨーロッパの勢力均衡を再建した、また普露墺各国もフランスの必要以上の大国化を警戒していた。またフランスも、啓蒙主義的正義感や騎士道的正義感から介入したのである。ルイ16世も人道主義であり、悪く言えばお人よしだった。
アメリカに売った武器弾薬はアメリカから回収できるが、派遣した兵や軍艦は自前なのだ。スペインはフランスの援助で、メノルカ、フロリダを取得した。7年戦争で失ったヌーベルフランスの一部を返還してもらったところでバチは当たらなかったろうし、ある意味貴族から金を取る絶好のタイミングともいえた。
戦中と戦後含めてイギリスは66%も増税した。戦争の責任を取ったのは内閣で、国王には及ばない。さらに英国銀行が長期債を発行した。政治財政的柔軟さが効力を発揮した。仏外相ヴェルジェンヌも英システムの優位性を羨んだ。硬直した仏絶対主義は増税すらできない。
アメリカに売った武器弾薬はアメリカから回収できるが、派遣した兵や軍艦は自前である。英米はあっさり通商関係を再建して、両国貿易は以前より活発になった。アメリカが独立して市民がより豊かになったから、英工業製品も消費したからだ。ところが米仏は文化が違った。残念ながらおフランスの高級製品は大衆的なアメリカにまだ普及しなかった。
下は1783年のヴェルサイユ条約
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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