アメリカ独立14-米独立承認パリ条約

1783年9月、パリ条約が締結され、アメリカはミッシピー川以東の地域で独立が承認された。さらに英と仏西間では、ヴェルサイユ条約が締結され、フロリダが、イギリスからスペインが獲得し、1821年まで領有する。フランスはセネガルを獲得した。イギリスとオランダは、あと1年第4次蘭英戦争を戦う。

この戦争で、イギリスは2万人の兵が死に、8千万ポンドを費やした。フランスは13億リーブル(約5600万ポンド)を費やした。ただの援助としてはずいぶん使ったものである。これは独立アメリカが返済するがそう簡単にはいかない。費用の割に得たものは少なく、財政危機は深刻を極めることになる。

後の文豪シャトーブリアンは、この年ブレスト港で仏海軍が帰還するのを見た。それはまるで勝利したローマ軍のようだったと、妄想に浮かれて書いている。自由の守護者としてなんとルイ16世の銅像が建てられた。アメリカものが読まれ、語られ、フランス人は、世界の再生のようなものを見ていた。

アメリカ独立戦争に参加したセギュール伯爵は、やはり自由のために戦うと勇み、フランスにも自由が欲しいと手紙に書く。しかし戦争後のフランスの惨状でこう書くのである「我々は花の絨毯を陽気に踏んで進み出てきた、その下に奈落の淵があるとは想像もせずに」

下はベンジャミン・ウェストの「パリ条約」イギリス代表がモデルを拒否したため未完

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。