フランス革命の道13-幻の英国上陸作戦

1779年4月12日、スペインがフランスの側に立ってイギリスに参戦した、その条件は、フランスがマヨルカ、フロリダ、ジブラルタル奪回の援助をすることだった。そしてこのとき、ルイ15世時代に計画されていたブリテン島上陸作戦が再発見された。実はルイ16世は海軍を強化しており、前年の成果に自信を持った。

この作戦は、仏西連合海軍が英仏海峡を制圧し、その間に4万人の兵を上陸させるというものだった。ところが、急ごしらえの作戦らしく、主力最新鋭艦の準備が遅れてしまい、5月の予定が7月になる。すると、積載している水や食料が腐敗して、水兵8千人が病気にかかって作戦は失敗した。

続く6月、スペインの見返りのため、ジブラルタル包囲戦が開始された。これには10万人の兵力と48隻の艦隊が動員され、3年以上も戦われた。さらに81年にメノルカ島の侵攻作戦が開始される。これも当初の見込みよりも大戦争になってしまうが、メノルカ島はスペインが奪回する。

ルイ16世の海軍強化は、米大陸でチェサピーク湾の戦いで勝利して、ようやく成果を見ることになった。惜しむらくは、仏領土の拡張は、西インド諸島の2、3の島に留まり、皆他の援軍になってしまったことである。この不満は財政悪化の表面化と共に出てくる。

下はジブラルタル包囲戦

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。