アマデウスの旅6-ザルツブルク休職してパリへ

故郷ザルツブルクに帰ってきたアマデウスは、その後真面目に宮廷音楽家としての職務をこなす。この間4曲のヴァイオリン協奏曲、さらにクラヴィア協奏曲もつくっている。しかし1776年20歳になると遂にキレたのである。イタリアでお世話になったマルティーニ師に不満をぶちまける。

曰く、地位が低い、45分以内とかトランペットやティンパニをつけろとか言われる。といっても新大司教にはちんぷんかんぷんだったろう、だいたいミサは宗教儀式であって演奏会ではない。ということで翌77年何回にもわたり父子は休暇願を出すが、新大司教は聞き入れない。

ついに9月1日、とりあえずアマデウスだけ宮廷音楽家を辞して、新天地に就職活動をしに行くのである。父は仕事をあけるわけにいかず、今回は母が同行して、まずミュンヘンに向かう。しかしバイエルン選帝侯マクシミリアン3世は今空きがない、という。彼にしても音楽に情熱があるわけではない。

父はパリを目指せというが、アマデウスはイタリアに行きたいという。イタリアではどこでもオペラが人気があるのですぐ金になるというのだ、天性無邪気な子と堅実な父との違いが現れてくる。とりあえず父に従うが、次に寄ったアウグスブルクで、シュタインの最先端のフォルテピアノに触れて感激の手紙を送っている。

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