ヴェルサイユに来て日も浅いアントワネットは、1771年夏一人の男に会う、名はレオナール・オーティエ、この後王妃の髪結いとして、王妃の命絶えるまで忠誠を誓う男である。そのときのレオナールは「パリ1の髪結い」になる、という野心満々の男、なんとライバルのデュ・バリー夫人の髪結いでもあった。
アントワネットは彼が気に入ってお抱えの髪結いとした。ある日、王太子妃からお呼びがかかり、オペラ座に行くので目立つよう奇抜な髪にしてくれという注文が入った。そこで彼がやったのが、髪を高く盛り上げ、その上に宝石やらダチョウの羽根やらを華麗に飾る「プーフ」だった。
オペラ座に行ったマリーに皆びっくりしたが、その日から「プーフ」は大流行し、パリ中頭をいかに高く盛るかという競争となった。確かにマリーが着た大礼服は、幅の広いドレスに比べ、頭が貧弱に見えた。アントワネットのドレス姿の肖像は、盛り髪で調和が取れている。
さらに、レオナールは翌年、今売り出し中のファッションデザイナー、ローズ・ベルタンをマリーに紹介する。彼女は気に入り、彼女の店で注文するようになって、ベルタンの店は繁盛して「モード大臣」と言われるまでになった。マリーは服を飾るというモードを世に広めた。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
0コメント