1762年クーデターで帝位に就いたエカチェリーナ2世は、本名をゾフィーというドイツ人である。ただ一つの強みは、息子パーヴェルだったが、これも実父はロマノフ家といえない疑いがある。ともかく、愛人のアレクセイ・オルロフや貴族の支持で、帝位に就いた彼女は、あまり強く出られなかった。
前帝ピョートル3世が暗殺されたときから、ロシア得意の僭称者が次々と現れ、幽閉されたアンナ女帝の息子イワン6世を脱出させる試みもあったが、イワンは64年に暗殺された。対外的成功を得たい女帝が目をつけたのがポーランドである。ポ王アウグスト3世は、ピョートル大帝が追放から復帰させた王である。
63年ポ王が崩御すると、女帝は、子供まで作った愛人スタニスワフ2世を、ロシア軍の威力によりポ王にした。その際、プロイセンに支持させるため、フリードリヒ2世と64年に露普同盟を結んだ。このときには、大王は7年戦争の教訓で、女性をバカにはしなかったらしい。
ポーランドの国教はカトリックで、他の宗派は認められていなかった。68年2月、女帝はロシア軍の圧力で、露ポ条約を締結し、宗教の自由の啓蒙主義の名のもとに、正教をポーランドに認めさせた上で、事実上の属国にした。欧州はまたもや女の力を思い知り、普大王は今度はバカにせず利用しようと思う。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
0コメント