1769年12月13日、モーツァルトは今度は父子だけでイタリアへ旅立った。今回はアマデウスのお披露目と共にオペラ研修である。翌年1月7日に到着したヴェローナでは、アマデウスはもうオペラを見て、それどころか市の演奏会で、渡された詩に即興でアリアをつくって歌った。
このようなPR活動の結果、3月にミラノで、クリスマスに行われるオペラを書くよう契約が取れるのである。そして父子はイタリアをローマ、ナポリと南下。ローマではシスティーナ礼拝堂で「ミゼレーレ」を鑑賞し、ナポリでは当代一のオペラ作家ニコロ・ヨンメッリのオペラを鑑賞した。
10月13日、父子はミラノに戻り、いよいよオペラに本格的に着手する。その頃のオペラは、何と配役に合わせてアリアを書くというものだった。しかしプリマ・ドンナにはもう別の作曲家から曲が届けられており、アマデウスは即座に曲を書いて、気に入られて、それを歌うことになった。
楽団との練習では、この若干14歳のオーストリア人にできるわけがないという者もいたが、もう最初の練習で、異論はなくなってしまった。そしてモーツァルト最初のオペラ「ポント王ミトリダーテ」は、71年1月にかけて20回の演奏をするという大成功を納めた。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
0コメント