大王対女帝15-女帝、フランスと同盟へ

哲人王というから理性的な人間かと思いきや、フリードリヒ2世は、結構癖のある人間である。バッハの作曲の件もリスペクトからとはいいがたい。そして1750年、長年の友といえるヴォルテールを呼び、厚遇するが、この二人結局ケンカして袂をわかってしまう。

さらに、公的な場でも女性を侮辱する発言を重ねていたらしい。そのせいか、オーストリアとの交渉でも、マリア・テレジアではなく夫フランツを通す。ロシアのアンナ女帝を「好色な雌豚」と言ったことがあるらしい。そのせいかどうか1746年ロシアはオーストリアと同盟を結ぶ。

そして1749年3月7日、マリア・テレジアの御前で、今後の外交に関する秘密会議が行われた。そのその席で、38歳のカウニッツ伯爵は、シュレージエン奪還のためには、フランスと組むべし、という大胆な提案を行ったのである。実にフランスとハプスブルクとは、マクシミリアン1世からの仇敵である。

出席大臣は皆度肝を抜かれた。カウニッツは、とても実現しないというだけでやらないことが多い、と伝統国らしからぬことを言って、帝国革新をめざすマリアの信任を得た。そして50年10月、カウニッツは、大使としてヴェルサイユをめざす。めざすはもう一人の女性、マダム・ポンパドゥール。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。