大王対女帝13-印米まで拡大した戦争終了

ベーメンに攻め入ったプロイセン軍だが、さすがにシュレージエンとは住民の扱いが違う。だってもうベーメン女王としてマリア・テレジアが即位してるのだ。プロイセン軍は住民からの補給が得られず、墺軍のトラウン将軍から側面を突かれ、さらに荒らくれハンガリー兵に悩まされて撤退した。

1745年1月、皇帝としてかついだバイエルン王カール7世が客死した。これで戦争の名目はなくなってしまったのだ。政治的に孤立したフリードリヒ2世は、軍事力で一発逆転を狙う。4月5日、ホーエンフリートベルクの戦いが行われた。普王は、軍が弱体化しているとの偽情報を流した。

油断してシュレージエンに行軍する墺軍に奇襲をかけ、大勝利を得た。この勝利で、フリードリヒ2世は「大王」と呼ばれるようになる。マリア・テレジアは、歴戦の将軍に代えて、義弟カールを大将にしたのが失敗した。その後の戦局は一進一退の膠着状態となる。

結局、12月25日にドレスデン条約が締結され、両国は、フランツの神聖ローマ皇帝即位を認める代わりに、プロイセンのシュレージエン領有を認めるという条件で終戦した。墺軍はスペインに奪取されていたミラノを奪回し、欧州からアメリカ、インドまで広がった戦争は1748年のアーヘンの和約で終わった。ヘンデルはその祝祭用に「王宮の花火の音楽」を創った

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。