バロックの時代32-ジョージ王「水上の音楽」

当時イギリスでジョージ1世を待っていた男が居る。バッハと並び称されるバロックの大作曲家ヘンデルその人である。彼は1685年北ドイツの生まれだが、1706年からイタリアへ行き、その影響を受けオペラ「アグリッピーナ」を書き成功している。

10年からハノーファー選帝侯の宮廷楽長になったが、そのままイギリスに渡りオペラ「リナルド」で成功。12年にも再訪した。そして14年にそのハノーファー選帝侯がイギリス王になるのだから、運がいいのか先見の明があったのか、ともかく新王と懇意となった。

16年には王のドイツ帰りにあわせてハノーファーに帰り、ロンドンに行った17年に作曲したのが有名な「水上の音楽」である。この管弦楽は、テムズ川での王の舟遊びの音楽だった。何と往復の間に3回も演奏させたという。

彼はロンドン貴族専属の音楽家となり、南海会社のバブルに便乗して一儲けし、その金で王立アカデミーの音楽部門をつくって自ら中心人物になったという。ヘンデルとバッハはおない年だが生涯一度も会えなかった。ドイツ一本のバッハに対してヘンデルは国際的に飛びまわり、事業も行った。バロック音楽ではあるがヘンデルのほうが華やかさがある。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。