太陽王17-スペイン継承戦争勃発

1700年11月1日、スペイン王カルロス2世が崩御した。王は肉体的にも精神的にも虚弱で、王家断絶は既定のことだった。この後継を狙ったのが、ルイ14世。なんといっても亡き妻はスペイン王女で、子供はスペインハプスブルクの血をひいている。しかしフランスの力の拡大は警戒される。

フランス国内では、先のブルゴーニュ侵入戦争の失敗の増税で、絶対専制批判が広がっていた。ボアギュベールは自由主義経済こそ国を富ませるとの論を展開し、王家の規制や貴族の特権に反対した。農民も重税にあえぎ、ルイの都市改造による需要創出は逆転していたのである。

スペイン王崩御の前から、各国がかつての大国スペイン領土分割条約をつくっていた。しかし都合が悪いことがいろいろと起こる。そしてカルロス2世の遺言では、スペインは仏王太子のアンジュー公フィリップを後継者として指名し、フランスはこれを受諾し、ブルボン家カルロス5世が即位した。

フランスは戦争を予期し、またもや陸軍兵力を増強し、国境に展開して圧力を加えたが、各国はかえって反発し、01年にはまた帝国、イギリス、オランダなどでハーグ同盟がつくられた。スペイン国内もカタルーニャは反対し、スペイン領土をめぐる広範な戦争に発展した。

下はカルロス2世騎馬。ハプスブルクのマークははっきり

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。