名誉革命の道5-イングランド銀行誕生

イギリスでは1694年に女王メアリが天然痘で亡くなり、ウィリアム3世も1702年落馬がもとで亡くなり、継承順位一位のアン王女が女王となった。ウィリアムはよそ者田舎者として人気がなく、ジェームズ2世支持者らは、落馬の原因となったもぐら塚を祝い、もぐらに乾杯したそうだ。

オランダのよそ者ウィリアムでなければ。議会の同意なしに統治ができない「権利章典」は不可能だっただろう。この章典は、今日まで有効性を保持している。しかしその中に、「王位継承者からカトリックを排除する」という文もあり、ここで英国教会の優位が確立された。

そしてメアリの死後の動揺を抑えるために、ウィリアムは1701年「王位継承令」を発布した。これは英国王継承をスチュアート家の血を引き、配偶者も含めて国教会信徒とした。これでジェームズ一族の継承権を奪ったのである。今でこそセレブな英国王家が確立したのはこのときからである。

そしてイングランド銀行が創立されたのもこの王の時代である。このときに銀貨の改鋳を建議したのがジョン・ロックである。欧州各国がまだ王室の金で経済を動かしていたとき、英国は、民間資本も入れた経済をつくっていく。それはこの後のイギリスの安定性につながり、現在でも世界を動かす英国金融として残っている。

下はイングランド銀行憲章の調印

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