1681年、アメリカ植民地に長く歴史に残るペンシルバニアができた。作ったのはウィリアム・ペン、彼はイギリスのクェーカー教徒である。この宗派は清教徒革命の時期に生まれ、内なる信仰を大事にし、外面的礼拝を重視しない。クェーカーという名は、聖霊により震えることで通称になった。
クェーカーは、イギリスで迫害されており、チャールズ2世時代に、ペンが父の貸した金のかたに国王から広大な土地拝領した。そしてここにクェーカーの楽園をつくろうとしたのである。彼は憲法を書いたが、ここには信仰の自由や選挙権、陪審員裁判などアメリカの素地をつくる思想が盛り込まれていた。
州都はフィラデルフィアであり、ギリシャ語で「友愛」を意味する。後にここで独立宣言がなされることになる。信教の自由は欧州各国から移民を集めた。
クェーカーは平和主義であり、ペンは先住民に対しても、公正を約束し、彼らの土地の代金を金で払い、問題が起こった場合、同数の人間が出て、公正な審議を行う法令を出した。ペンの先住民との協定は、アメリカの理想となり、その場面は国会議事堂のレリープに残っている。
下はフィラデルフィア市庁舎の上に立つウィリアム・ペン像
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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