アメリカでは1675年6月からニューイングランドで、「フィリップ王戦争」と呼ばれる先住民ワンパノアグ族との戦争が起こる。フィリップ王というのは先住民の酋長メタコメットをイギリス人がそう呼んだ。フィリップは古代マケドニア王国の王を指している。
しかしこの名前そのものが誤解である。先住民の酋長は王ではない。各族のまとめ役にすぎない。彼の父マサソイトは、白人入植者と平和を実施し、白人を助けた。しかし白人はどんどんやってきて、協定以上に入植地を拡大しようとして、衝突は拡大した。
メタコメットは先住民と白人入植者の間の調停に努力したが遂に戦わざるをえなくなる。戦いはニューイングランド全域に及んだ。先住民は優れた強襲戦法を持っていた。翌76年に入ると白人達は民兵を組織して反撃した。これには先住民の戦法がかなり応用されている。
76年8月12日、メタコメットが戦死して戦争は白人の勝利に終わった。「フィリップ王」の死体は白人達に八つ裂きにされ、首は槍の穂先に突き刺され24年間晒された。4000人の先住民が殺され、捕虜となった者は奴隷にされて西インド諸島に売り飛ばされた
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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