清教徒革命9-クロムウェル次はスコットランド

アイルランドはヘンリー8世以後同君連合王国となっていたが、実質地元貴族がそれぞれ統治していて、カトリックが多い、クロムウェルにとっては邪教の支配下にある。「ここには神はいない」と宣言する。そして1652年の「アイルランド植民法」で土地の3分の2はイングランド人のものになった。

何とアイルランドの土地収奪は、イングランド土地貴族と兵士の支払いにあてられた。美しい緑の島はここから荒廃していく。この後アイルランドは英国植民地となり、長くイギリスの「のどに刺さった骨」と言われ、独立したのは第二次大戦後、しかし北は未だにイングランドで、問題を起こしている。

クロムウェルが次に目指すはスコットランド。この侵攻にあたっては、議会で延々とダヴィデのつくった旧約聖書の詩編を述べた。もちろんそれはユダヤ人がカナンの土地を侵攻して他部族を殺して土地を奪ったことを神の導きとる内容である。旧約の勝手な歴史解釈は今日でも終わっているとはいえない。

スコットランド侵攻はクロムウェルが総司令官となったが、スコットランドは焦土戦術で補給切れを狙った。英軍は補給のため港町ダンバーに後退、好機とみたスコットランドは戦いを挑んだが、戦さ慣れたクロムウェルに敗北した。さらに51年9月3日のウスターの戦いに勝ち、チャールス2世を再亡命させた。

下はダンバーの戦いのクロムウェル

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。