30年戦争25-平和を選んだスウェ-デン女王

三十年戦争最大の戦勝国スウェーデン、実は最初はもっとタカビーな要求をしていたのだ。しかし1644年親政に入った女王クリスティナは「全キリスト教国に平和をもたらすべし」と大幅な譲歩をしてしまったのだ。

スウェーデンがルター派になったのは彼女の父で北方の獅子グスタフ・アドルフである。彼は、カトリック教会財産を収容してしまい戦費を捻出した。スウェーデンはヴァイキングの国だが、830年に聖アンスガルがキリスト教をもたらし、教皇庁アヴィニョン時代に、聖ビルギッタがローマで活躍し、今でも崇敬を集めている。

彼女は開明的国王で、宗教対立そのものが間違っていると思った。そしてその後「ストックホルムを北方のアテネにするのよ!」と言ってデカルトなどの先進的文化人を招き、書籍を購入、文化国家をめざす。しかし三十年戦争で、国家財政は火の車だった。

さらに彼女は男女を問わず愛人をつくり、尊敬するエリザベス女王のように生涯未婚を宣言。だんだん国王の地位が面倒になり、カトリックに改宗し54年退位して、ローマに入り、教皇アレクサンドル7世に祝福された。この後盛んになる啓蒙専制君主の早すぎたモデルである。

下は女王クリスティナの映画「ガールズキング」

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。