30年戦争20-リシュリュー、ルイ13世死す

1642年4月24日、ついに国王フェリペ4世自らカタルーニャ戦争に赴く、副将オリバーレスという総力戦である。オリバーレスは遺言状まで作成した。フランスもルイ13世が出陣、7月西王はアラゴン王国首都サラゴサから、カタルーニャ境界都市でフランス軍前衛のイェルダの攻略を命じた。

10月7日、西仏両軍はイェルダ近郊で激しい戦闘を行った。双方ともかなりの犠牲を出し、勝敗の行方は混とんとしたが、日暮れに戦場にかろうじて残ったのはフランス軍だった。12月1日、失望のフェリペは帰路についた。途中の町ではオリバーレスに罵声が浴びせられた。

しかしフランスのルイ13世、リシュリュー共病身だった。そこへまたぞろ暗殺計画がもちあがる。王の寵臣サンク・マルス、遠征中の6月10日、この計画は発覚し、一味は逮捕され、黒幕王弟ガストンは亡命した。しかしリシュリューは、ルイ13世のもとに行こうとして病状を悪化させた。

12月4日、パリでリシュリューは死去した。翌年2月、ルイ13世は病に倒れ、5月14日に崩御した。前年7月3日、王と対立して亡命した母后マリー・ド・メディシスがケルンで死去、一時代が去った。即位したルイ14世はこのときまだ5歳で、母后アンヌ・ドートリッシュが摂政となる。

下はリシュリューの死

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。