30年戦争19-スペイン分裂と孤立

東西両方が内乱状態のスペイン、宰相オリバーレスは、対仏戦争の兼ね合いでカタルーニャを攻める。ところが1641年1月26日、バルセロナ近辺のモンジェイクでフランス・カタルーニャ連合軍と戦った王国軍は、激戦のさ中撤退を命じてしまう。結局カタルーニャ征討はこれでできなくなった。

さらにポルトガルへの征討はというと、義弟の伯爵を総司令官にしたのが裏目に出て、すでに出陣していたアルバ公爵以下、位の高い貴族達は退却してしまう。カスティーリア全体に無気力感があふれ、オリバーレス一人が異常に奮闘する状況と化した。

しかしフランスでも反乱が起きる。宰相リシュリューがスペインに気を取られる間に、東部戦線のフランドル総督が国王の血を挽き人気のあるソワソン伯をかついで反乱。41年7月6日、ラ・マルフェで国王軍と戦い勝利してしまう。ところがソワソン伯がどうやら暗殺され、危機を免れた。

神聖ローマでは、41年11月9日、獅子奮迅の働きをしていたネーデルランド総督フェルディナンドが病死。跡目をめぐってスペイン派とオーストリア派が対立して、オーストリア派が勝利。ハプスブルクも分裂する。どちらもこちらも、そろそろ戦争継続ができなくなってきた。

下はモンジェイクの戦い

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。