30年戦争18カタル‐ニャ反乱ポルトガル独立

1640年1月6日、スペインはカタルーニャのサルス要塞をフランスから奪回、ここを反攻の前線基地にしようとした。カタルーニャには続々他地方からの兵士が来たが、独立性の強いカタルーニャにはたとえスペインといえども他所の兵士に食料を与える習慣がなく、兵士と民衆の諍いが起きた。

4月末カタルーニャのヘロナ地方の町に兵士を入れる交渉で役人が来た。ところが役人はその町民に殺害された。副王はこの町を焼き払ったが、その措置に反乱はカタルーニャ全地に拡大。5月22日には、暴徒はバルセロナに侵入した。6月7日には、何とスペインから派遣された副王が殺害される。

カタルーニャには独立常設委員会ができ、兵士の駐留は違憲だと言い出した。そして保護を敵国フランスに求めた。リシュリューにとっては思わぬラッキーでさっそく交渉し、フランス軍の派遣とバルセロナ港の使用権をもらった。

スペイン宰相オリバーレスは焦った。ここでポルトガル兵をカタルーニャ鎮圧のために動員しようとした。ここで一気にかねてよりの国王統一軍を実現しようとしたのである。しかしそれは最悪手だった。40年12月1日、かねてよりスペインに不満を持っていたポルトガル貴族はクーデターを起こし、スペインの役人を殺害し、再独立を宣言。ホアン4世が即位した。

下は即位するホアン4世

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。