産業革命1-チューリップバブル崩壊

1637年4月、オランダのチューリップバブル崩壊の事件が起こった。この植物の原産地は実はトルコで、本当は「ラーレ」というそうである。ところが花の名前ではなく、花の形をきかれたと思ったトルコ人が「チューリガン(ターバン)」のようだ。と答えて、西洋の花名になったとのことである。

ともあれ、黄金時代のオランダは金が余っていた。この珍しい豪華な花を富の象徴として金持ちたちはこぞって買い求めた。そしてチューリップはオランダの厳しい気候でも花を咲かせることができたのである。繁栄から取り残されていた農民達はこの花をどんどん栽培した。

流行はどんどん新しい品種を生み、それが高値を呼んだ。「提督」とか「司令官」という名もつけられた品種が有名になったようだ。さらに次の期の球根を、今から買い付けるという先物取引も開発され、投機資金がどんどん集まっていった。そのピークは1636年である。

ところが先物取引によってあまりにも高くなったチューリップの球根は翌年の現物市場では売れなくなり逆転してしまい、あっという間にこのバブルは崩壊した。チューリップバブルは、1841年にチャールズ・マッケイが報じて有名になったが、その影響は現代のバブルよりはかなり小さかったようだ。

下はヤン・ブリューゲル作「チューリップマニア」

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。