30年戦争11-グスタフ・アドルフ大勝利

スウェーデン王グスタフ・アドルフ、彼は古ゴート神話にインスパイアされたようだ、すなわちかつてヨーロッパを席捲したゴート王ベリクになるべし、と。しかし皇帝フェルディナンドは「スウェーデンとかけて雪だるまと解く。南へ来れば溶けてなくなる」と舐めていた。

両者の争点がマクデブルクとなった。ティリー伯を新司令官とした皇帝軍は1630年11月からここを包囲し、翌年5月末に陥落させた。しかし旧ヴァレンシュタイン軍も入った皇帝軍は統制を欠き、大規模な略奪となった。なんと町の3万人のうち2万5千人が殺害され、残り5千人は婦人でレイプされた。

このマグデブルグの惨劇の衝撃で、躊躇していたドイツプロテスタント諸侯はスウェーデン軍に合流してしまった。さらにフランスが保険のためにバイエルンとも協定を結んだため、司令官ティリーは微妙な立場となった。

9月17日両軍8万人はブライテンフェルトで大会戦となった。ドイツプロテスタントは崩れたが、何とスウェーデン軍は3人で運べる4ポンド砲100門を有し、旅団中心の陣形は柔軟に変化して皇帝軍を押し返し、皇帝軍死者1万2千に対しスウェーデン千5百人と大勝利を収めたのである。この戦闘を機に、戦争は砲兵中心に変わっていく。

下はブライテンフェルトの戦いの颯爽たるグスタフ・アドルフ

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。