ブルボン朝誕生7-リシュリュー危機一髪!

あれこれ欧州政治を画策するフランスのリシュリューに突然危機に陥った。1630年9月21日、ルイ13世はリヨンで突然重篤になり、司祭が臨終の用意をするほど。王崩御とあれば後継ぎは王弟ガストン、彼はリシュリューと仲が悪い。そこで反リシュリュー派は彼の始末方法まで相談したという。

結局王が回復して事なきを得たが、反リシュリュー派は母太后マリーをまきこみ11月10日王に「私かリシュリューかどちらかを選びなさい!」と迫った。母太后はそもそもカトリック派で、リシュリューが、反ハプスブルクからプロテスタントと組むのが気にいらない。

国王はリシュリューにその場から去るよう言ったので、翌日リシュリュー失脚の噂がパリを走り、一族は亡命の用意をした。リシュリューは諜報の達人でもある。王の動向を探ってから、王のもとに伺った。ルイ13世は熟慮の結果、リシュリューの支持を確約した。

この日は「騙された者の日」と呼ばれ、おおっぴらに行動していた反対派は更迭された。母太后マリーは、その後国務会議からはずされ、翌年コンピエーニュ城に軟禁された。しかし彼女はまたも脱出して、ブリュッセルに行って反リシュリューの扇動を行うのである。

下はリシュリューと母の間で悩むルイ13世

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。