新世界より4-ハーヴァード大学は牧師養成

ピルグリムファーザーズが開いたプリマス植民地は、1527年に本国投資家からの借金を苦労と交渉の末に返済に成功した。そのカギはインディアンとの毛皮取引の本国への輸出だった。本国投資家達も、アメリカへの投資のリスクを懸念し、もっている株を植民地居住者に売り払った。

ともあれ、植民地居住者はここでようやく自立できたわけである。そして次の問題は牧師だったという。驚くことに、プリマス植民地は、最初の頃牧師が居なかった。会衆主義というか、結婚式も葬式も皆で牧師なしにやっていたのである、さすがピューリタン。

ようやく来た牧師も、本国を逃れてきただけあってヘンな牧師が多く、摩擦が絶えず、長く定着せず追放になったりしている。そういうわけで、マサチューセッツ植民地では、1536年、牧師養成機関としてハーヴァード大学が設立される。当初は私塾のようなものだった。

ピューリタン社会だから敬虔だったかというとそうでもなかったようで、1630年には殺人事件が起き、強姦や不倫もけっこう起こっていたようだ。それは回心で解決したかというと、実は厳罰で対処した。キリスト教を説きながら現実には法で対処するアメリカ社会の基礎ができたのである。

下は17世紀のハーバード大学

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。