新世界より1-メイフラワー号アメリカ到着

イングランドのジェームス1世に失望したのはカトリックだけではなかった。ピューリタンもまた長老主義のスコットランドから来た王に期待したが、国教宣言によってその希望は水泡と帰した。ピューリタンは安息日にはあらゆる娯楽を禁止しようとしたが、王は「遊び宣言」を出した。

そして英王はなんと、スペインとの関係修復のため王太子チャールスをフェリペ3世の姫マリアとの結婚を図る。さすがに議会は大反対となり、国民と王の間に亀裂が走った。一部のピューリタンは、一時オランダに逃れたが、意を決して1620年9月16日、新大陸アメリカをめざし、メイフラワー号に乗船する。

乗客102人は「ピルグリムファーザーズ」と呼ばれる。66日間の厳しい航海の後、目的のハドソン湾ではなく、ケープゴッドに到着した。彼らの間では不満が増大して紛争が起きていた。それを鎮めるため「メイフラワー誓約」をつくる。この誓約は、互いの平等を確認し、社会的結合体となるために、法や組織をつくり、それに全員が服従するという、アメリカ合衆国の基礎となる思想であった。

彼らが来たときには、すでにヴァージニア植民地には1000人程度の入植者が居て経済を確立していた。しかしピルグリムファーザーズからアメリカが始まったとされるのはこの誓約の思想によってである。

下は再建されたメイフラワー2号

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。