To be or not6-シェークスピア引退の理由?

シェークスピアは、1613年6月29日自身の劇場「グローブ座」が火事を起こすという事故をきっかけに、引退して帰郷した。そして16年4月23日に死去してしまう。引退して3年足らずであり、何か健康上の理由があったとしても不思議ではない。16年1月には遺言状を書きぬかりがない。

しかしこの引退には、政治上、宗教上の理由があったという説がある。その大きな契機はフランスのアンリ4世暗殺である。カトリック狂信者によって起こされた事件で、英王ジェームス1世は一層カトリック迫害を強めることとなった。そして英王はカルヴァン主義者のジョージ・アボットをカンタベリー大主教に就任させる。

1611年には、ジョン・スピードが、「英国史」という著作で、シェークスピアをカトリック作家としてイエズス会と結びつけて非難した。さらに隠れカトリックのパトロン達も庇護をやめていったとのことだ。

なんとシャークスピア劇にはカトリック、プロテスタントの隠語があり、月はエリザベス女王を意味し、ネガキャンしたという。それですぐ思い出すのは「ロミオとジュリエット」の「毎夜その姿を変える不実な月に愛を誓わないで」というセリフ。女王への皮肉と考えると通らなくもないが・・・。

下はプロコフィエフのバレエ「ロミオとジュリエット」バルコニーの場

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。