1606年に即位したロシア皇帝ヴァシリー4世の権力も弱かった。何より即位したのがモスクワ大主教によってではなくノブゴロド大主教である。ロシア正教会全体の支持を得られなかった皇帝はやはり厳しい。もっとも偽ドミトリーが即位しちゃったことで、皇帝そのものの権威がゆらいでいた。
さっそく何と偽ドミトリー2世が現れた。実は皇帝ドミトリーは生きていたという。これがまたポーランド貴族の支援を得て、1608年にはモスクワを包囲する。この間ピョートル大帝の偽息子が現れるは、反乱は起きるはもう国家は崩壊状態である。
ヴァシリー4世は、対抗するためスウェーデンに支援を願う。すると今度はポーランド=リトアニアがロシアに正式に宣戦布告した。1610年、クルシノの戦いでロシア・スウェーデンが敗北すると、モスクワでクーデターが発生。ヴァシリー4世は皇帝を退位、修道士にされてしまった。
権力を握った7人貴族会議は、僭称者よりもまだポーランドのほうがいいと、ポーランド王弟ヴワディスワフを受け入れた。ポーランド軍はモスクワを占領し、誇りあるロシアは初めて外国に屈した。そして偽ドミトリー2世は見捨てられ、逃亡に失敗して殺害されたようだ。
下はヤン・マティコ作ポーランド王ジグムント3世に屈従するヴァシリー4世
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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