1570年代末からイエズス会を中心に、イングランドをカトリックに復帰させようという動きが活発となり、帰国者や留学者が送りこまれた。政府はこの動きに過敏となり、1581年カトリックへの改宗は大逆罪になるという法律が制定された。国内カトリック教徒はいい迷惑であった。
この緊張の中心に居たのが国王秘書長官のフランシス・ウォルシンガム@スパイマスターである。ノーフォーク公の事件以来英国ではMI6ならぬ諜報組織がつくられ、彼はそのトップとなり、エリザベス女王を大陸カトリックからの侵略を防ぐ中心に盛り上げていった。この諜報網は国外にも張り巡らされた。
1583年11月、ウォルシンガムのスパイによってスロックモートン事件が発覚した。これはスペインと教皇、フランスのギーズ家によって謀られた陰謀で、スペインの英国侵略とメアリ女王擁立ということだが、あまりはっきりしていない。ともかく拷問による自供で、この陰謀をメアリ・スチュアートが関わっていたことが発覚した。
実際は、駐英スペイン大使に手紙を書いたくらいのようだが、イングランドの疑心暗鬼はますます激しくなり、その象徴としてメアリは憎悪の対象となったが、本人はそういうことにはまるでうかつだった。
下は映画「エリザベス」よりウォルシンガムとエリザベスある意味愛してた?
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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